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2022.03.21

自家製麹

自家製麹

麹を自分で作るようになってから半年くらい経ちます。最近ようやく自分で納得のいく麹が作れるようになってきて、ますます麹作りが楽しくなってきました。作っている時の麹の香りがたまらなく心地よく癒されます。日本の伝統と文化と歴史で受け継がれてきた麹の文化の素晴らしさが今こうやってわたしの生活の中でわたしの心を豊かにしてくれています。今日は親愛なる友人にわたしの作った麹を使って作るひよこ豆の味噌を作りました。

目次

ジェイ農園さんの熟成米

麹作り

感動の出麹

まとめ

ジェイ農園さんの熟成米

麹作りをするのに使う穀物はジェイ農園さんの熟成米を使っています。おいしい麹を作る条件として蒸しの作業の時にカラッと蒸すことがポイントになります。熟成米は普通の白米に比べてパサつきがややあるお米ですが、このパサつきを利用してカラッと蒸しあげることをしています。熟成米は麹作り以外ではお寿司やカレーライス、炒飯などに最適なお米です。

麹作り

麹作りは穀物を浸水させるところから始まります。白米は8時間以上、玄米は24時間以上、麦はきっかり3時間です。浸水のあとは水切りをしっかり1時間します。麹作りはカラッと蒸すことがポイントなのでしっかり1時間水切りします。水切り後ようやく蒸しの作業に入ります。(玄米は殻がついていてそのままだと麹菌が入り込めないため、ハンドブレンダーで傷をつける作業をします)

和せいろで蒸します。普通のせいろは蓋に水分がつくので、和せいろを使います。和せいろは底に4つ穴が開いているので水分が蓋につくことはありません。おいしい麹を作るためには浸水と蒸しで7、8割決まるとも言われているため蒸しは丁寧に時間をかけて行います。蒸されていない固いところは水分がないので菌糸が伸びなくなります。蒸し残しがないように何箇所も確認して全体に蒸されているかどうか細心の注意を払います。

蒸し上がった米は大体70度くらいなので米を晒しにまいて45度になるまでゆっくり冷まします。冷めたらここでやっと麹菌をまぶします。通常の市販の麹ですと1キロの穀物に対して1gくらいしか麹菌を使いませんが、ここは麹菌をふんだんに使って酵素たっぷりな麹に仕上げたいため5g使います。麹菌は生き物なので「おいしくなあれ」と声をかけながら茶漉しで麹菌をまぶします。自家製麹の良いところは麹菌をたくさん使えることもそうですが黒麹菌と言って黒い麹菌を使って黒白米や黒麦、黒玄米の麹が作れるところです。黒麹菌は黄麹菌に比べて酵素が4倍、クエン酸も含むので美容や疲労回復に効果的な麹が作れます。黒麹菌は九州の焼酎や沖縄の泡盛の製造に使われている菌です。黒麹はクエン酸を含むので酸っぱいですがこの酸味が塩や醤油、甘酒などの発酵調味料にしたときにとってもおいしくなります。特に甘酒などは酸味がクセになり黄白米の甘い甘酒が苦手な方などは黒麹の甘酒はとっても美味しいと言って召し上がられる方が多いです。

菌づけした麹は3日間温度管理します。麹菌は微生物です。水分と酸素を求めて菌糸が伸びていくので途中で手入れして空気を入れてあげたり、麹が自己発熱するため熱を逃してあげたり、温度が下がってきたら湯たんぽで温めたり、60度のお湯を入れ替えたりとお世話をします。手入れする度に、麹の香りと、手の感触で今麹がどういう状態かをきちんとみてあげるお世話です。最初は温度が高くなったり、下がりすぎたりとなかなか上手く出来なかったですが何回も作っているうちにコツを掴めるようになってここ最近きれいな麹が作れるようになりました。

感動の出麹

出麹とは、穀物に菌をつけて麹箱にしまってから48時間経過し、麹を麹箱から出す作業です。出来立ての麹は言うまでもなくいい香りであるのはもちろんなこと、ツヤツヤでとってもきれいです。生の麹なのでそのまま食べることができるので味見をすると、本当に甘くてとってもおいしいです。出来立ての麹は一番酵素の量が多いので出麹仕込みと言ってすぐに何か発酵調味料にしますが、麹作りが成功したかどうかは甘酒を作るとわかるので甘酒を仕込みます。甘くておいしい甘酒が出来上がれば麹作りは成功です。

まとめ

ツヤツヤで良い香りの麹を作る作業ははなんとも言えない贅沢な時間です。穀物を浸水させて、蒸して、菌つけして、温度管理してと簡単な作業ではありませんが、出来立ての麹や発酵調味料を作った時のおいしさは格別なものなので手間暇かけて作る価値はあると思っています。以前は甘酒のおいしさがよくわからなかったですが自分で作った麹を使って甘酒を作るようになってから甘酒を料理に使うようになりました。とても甘いので少量で甘みが出せるため料理に使ってもさほど料理の色が変わらないです。あとは塩麹も塩味がとてもまろやかなので下準備に塩麹漬けにしてあったものでもそのまま取り除くことなく使えています。自家製麹は酵素がたっぷりで菌も生きているのでより腸に届きやすく肌の調子も良く体も疲れが溜まりにくくなり元気に過ごせるようになりました。今の時代安価で手軽に色々なものが手に入りますが、逆に安全で食べられるものはなかなか選べなくなってきているなあと感じます。そんな時代のなかでこうやって穀物から選んで作る麹作りは本当に贅沢で幸せなことだなと思っています。