愛知県岡崎市の大人の女性のための料理教室 日常の「レッスンのご案内・コラム」ページです。

レッスンのご案内・コラム

NEWS レッスンのご案内・コラム

COLUMN読みもの

2022.07.23

家庭での醤油作り

家庭での醤油作り

春から初夏にかけて味噌や豆板醤、梅ジュースにらっきょなど季節の手仕事を楽しみました。買えばなんでも手に入る時代ですが自分の手で安心、安全な材料で作るものは格別な美味しさに出来上がります。今年は初めてお醤油作りにも挑戦しました。家庭で醤油が作れるとは思っていなかったので出来上がりがとっても楽しみです。

 

目次

醤油の歴史

現在の醤油

家庭での醤油作り

まとめ

醤油の歴史

今回、兵庫県養父市の大徳醤油様に醤油のお話と家庭で作る醤油作りを教えていただきました。大徳醤油様は創業1910年から日本の伝統的な製法で醤油作りをされています。伝統的な製法というのは原材料が大豆、小麦、麹、塩のみの天然醸造で作る方法です。きちんと1年かけて発酵させて作る方法です。醤油は高級品で一升瓶が今の価値でいうと6000円くらいでした。昔は手間ひまかけて丁寧に作られた醤油を大切に使ってましたね。町の醤油屋さんが各家庭に配っていましたが、高級品だったこともあり家庭で醤油を作ることも当たり前にしていました。

現在の醤油

昔は1万件くらいあった醤油屋さんも今では1200件くらいに減りました。日本の流通が変わりスーパーができました。生活は便利になりましたね。スーパーは客寄せのために安価で醤油を売るということをはじめます。スーパーに行くと、1本198円の醤油が積み上げられて売り出しされているのを見た事を一度はあるのではないでしょうか。醤油が750mlで198円。水より安い醤油ってどんなものなのでしょうか。速醸といって人工的に培養した酵母を添加し、食塩水に麹を入れて燗をし発酵しやすいように夏のような状態にして濃い醤油を作り最後は水で薄めて醤油にする作り方です。水で薄めても醤油の香りがなくならない醤油ということは天然のものでないことがわかりますね。今現在売られている醤油のほとんどがこの製法で作られていて醤油は安く作るものになっています。昔は醤油屋さんからも買うし家庭でも醤油を作っていたので醤油の作り方を知っている人がたくさんいました。作り方を知っていれば198円で売られている醤油がおかしいという基準になりますが、作り方を知らないと醤油は安いものという基準になりますね。

家庭での醤油作り

今回は大徳醤油さんから手作り醤油キットというのを購入させていだだきました。キットの中には食塩と醤油麹と搾り布が入っています。醤油作りに使う醤油麹は大豆と小麦に麹菌を混ぜたものです。容器に食塩水を入れて醤油麹を3回に分けて入れるだけで仕込みは終わりです。瓶の中に麹を入れる時に麹菌がフワッと飛びました。最初の2週間くらいは塩が下に溜まりやすいので馴染ませるために1日1回かき混ぜて発酵を助けカビを防ぎます。最初は混ぜるのが大変ですが、だんだん発酵が進んでくるとかき混ぜやすくなっていきます。2週間以降は白いカビの様なものが表れます。産膜性酵母といって発酵食品にはよく出てくる酵母の一種です。この膜なようなものがでたら軽く混ぜるということをします。香りも醤油の仕込み後はまだいい匂いではありませんが発酵が進んでくるとフルーティーな香りになっていきます。薄茶色だった色が徐々に赤黒く変わってきます。。時々舐めて味が変わっていくのを楽しみます。お好みの醤油の味になったら完成です。出来上がるのには1年かかりますので毎日様子を見る観察は必要になります。微生物の様子を見て、触れて、息を吹きかけることが醤油作りの極意です。醤油作りをしないともろみにも出会えないですね。

まとめ

昔は家庭で手作りしたり、醤油屋さんも伝統的な製法で発酵に長時間かけて丁寧に作られていましたが今は流通が変わりスーパーで安価な『醤油』といった名前のついた醤油のような調味料が売られています。昔は醤油は体に良いものでした。今の醤油は原材料も不明ですし、醤油の香りはするかもしれませんが醤油本来の味はしないものになっています。伝統製法で作られた醤油は素材の旨味を引き出す役割を担いますが速醸で添加物がたくさん使われた醤油は料理に味を足すという役割に変わっています。わかりやすくいうと素材の味ではなく醤油の味を感じる料理になりますね。本物の調味料は腸内の善玉菌も増やしてくれます。また、香りがよくて風味が豊かなので少しの量で料理の味を引き締めてまとめてくれます。まずは日本の伝統製法で作られた醤油を味わってみてください。そして機会があればぜひご家庭で醤油作りにチャレンジしてみてくださいね。