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お菓子を上手く膨らませるには
ふわふわしたパンやお菓子、クッキーなど、最初はかたまりだったものがオーブンに入れるとだんだんと膨らんでくる。この膨らみの正体は?
目次
パンやお菓子が膨らむ4つの方法
オーブンの中でお菓子が膨らむのをみているとワクワク、ドキドキしますが、この膨らむ理由は共通しており大きく分けて4つのパターンがあります。
① 空気の拡張による膨らみ
ふわふわと膨らむお菓子といえばスポンジケーキです。ケーキを作るときのレシピにあるように空気を多く含むように、たっぷり空気を含ませることがポイントになります。生地の中に含まれた空気がオーブンの中で熱されると体積が増し、膨張し生地を膨らませることができます。
② 水蒸気による膨らみ
パイやシューを作るとき材料に水を使います。生地の中の水分がオーブンの中で熱されて水蒸気になり体積が増えます。水1mlに対して1700倍もの体積になると言われています。
③ 酵母菌の活動による膨らみ
パン生地に酵母(イースト)菌を加え練りこみ生地を発酵させている時に炭酸ガスを発生させ生地を膨らませます。また、香り成分や独特の美しい気泡を生み出す特徴を持っています。
④ 化学反応による膨らみ
パンケーキやクッキーを作る時に重曹やベーキングパウダーといった生地を膨らませることに特化した材料を使います。加熱することで二酸化炭素や水蒸気を発生させ生地が膨らみます。
ベーキングパウダーと重曹の違い
ベーキングパウダーも重曹もどちらもお菓子やパンの生地を膨らませる作用を持つ膨張剤ですが性質や特徴が違います。
ベーキングパウダーは重曹に酸性剤を配合した膨張剤のことです。
ベーキングパウダーの材料の一部が重曹です。ベーキングパウダーを加えるお菓子は、ベーキングパウダーに含まれる重曹と酸性剤によってガスを発生させ生地を膨らませます。重曹と酸性剤は水を加えて混ざり合わせると分解され炭酸ガスと炭酸ナトリウムを発生させます。ベーキングパウダーは水分を加えた瞬間から膨張し始めるので生地は手早く混ぜ、すぐ焼くことが鉄則です。
ベーキングパウダーの材料でもある重曹は単体でも膨張剤として使えます。重曹は水を加えても炭酸ガスは発生せず加熱しないと反応しません。そのため粉と混ぜた後生地を休ませておくことができます。独特の苦味、焼き上がりに黄いろがかった色に仕上がるという特徴を持ちベーキングパウダーは縦に膨らむのに対し重曹は横に膨らみます。
それぞれ向いているお菓子
ベーキングパウダーにはガスを発生させるために必要な酸性剤が入っているため生地に酸性の材料が入らなくても膨らませることができます。お菓子の種類では焼き時間の長いもの、大きなケーキなどが向いています。
重曹に酸性の材料を加えることで炭酸ガスを発生させ生地を膨らませるので生地の中に酸性の材料がたくさん入れるときは重曹を使う方が向いています。
まとめ
ベーキングパウダーは水分に反応して膨張し熱を加えると再び反応して膨張します。縦に膨らむ性質を持ち焼き色に影響を与えません。水分と反応して炭酸ガスが発生するので生地に混ぜたらすぐに焼くことが鉄則です。スポンジケーキやマフィン、パウンドケーキ作りに向いています。
重曹は加熱によって炭酸ガスを発生させ膨らみます。横に膨らむ性質を持ち焼き色が濃くなる、特有の香りと塩味があるのが特徴で多く入れると苦味が出るので注意が必要です。
加熱することで生地が膨らむので生地を寝かすことができます。チョコレートやココアの入っている生地に使うと茶色に深みが出ます。どらやきやおまんじゅう、クッキーなどに向いています。
それぞれの特徴を生かし、ベーキングパウダーと重曹を掛け合わせることで縦、横に膨らまさせることができます。
ベーキングパウダーは一般的にミョウバン(アルミニウム)が含まれています。このアルミニウムが認知症の原因物質であるという説があるためアルミニウムフリーのものを選びましょう。開封して6ケ月以上経つと膨らむ力が弱くなります。保存方法でも膨らむ力が弱まるので購入する際は使用頻度に応じたものを選ばれると良いと思います。
ベーキングパウダーの劣化を見極める方法として水を加えてシュワシュワしなかったら劣化していることになります。劣化しているものを使うとお菓子が膨らまないので注意してくださいね。