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味噌作り
3月になりました。私の住んでいる岡崎はまだまだ寒いですが少しずづ昼間の陽射しからは春を感じます。風や空気や陽射しから季節を感じとる感覚は大切にしていきたいです。自分の感覚は自然の中で過ごしたりするとよくわかったりします。逆に自然から遠ざかった生活をしていると自分の感覚はどんどん鈍くなっていくように私は感じます。自然とは山や海に行くことだけではありません。食べ物に自然なもの、ナチュラルなものを取り入れたり、家の中で味噌作りをしたりすることも自然とふれあうことと似ているなあと思います。
目次
ひよこ豆味噌とは
週末にひよこ豆味噌作りのレッスンを開催いたしました。味噌を買うのではなく作る。私も以前は味噌作りなんてしたことがなかったですが味噌は思っているよりとても簡単でそして手作り味噌は何より美味しいということがわかってからお味噌は手作りするようになりました。豆味噌や米味噌などは熟成期間が長いので出来上がるまで1年かかり、もっと美味しいお味噌にしようと思うとさらに半年ほど寝かすと熟成が進み濃厚で美味しいお味噌ができます。その点、今回のひよこ豆味噌は麹をたくさん使うので熟成が早く短期間で手軽に作れるお味噌です。ひよこ豆は大豆よりも脂質が少なくホクホクとしてやさしい甘みのある豆です。麹の麹菌で分解された米の甘みとひよこ豆の甘みが合わさってとっても甘い味噌になります。
自家製麹
今回お味噌作りに使った麹は私が自分で作った生麹を使いました。米を蒸し、麹菌をつける菌つけをして3日間温度管理して大事に大事に心を込めて作った麹です。家でお米から蒸して作る麹ははっきりいうとそれはそれは大変な作業ですが、米を蒸している時の香り、麹を触っているときに感じるぬくもりにとても癒されます。これは麹を作る時にしか味わえない贅沢な時間でもあります。日本の伝統と文化で受け継がれてきた麹の文化がわたしの生活の中で癒しとなり、そして、生きた麹菌たちとふれあうことで自分の感覚が研ぎ澄まされていっているような気がします。麹たちが菌糸を伸ばしていけるように温度管理や香りをチェックして今どんな状態なのかを見ていく。作れば作るほど感覚も冴えてきてツヤツヤの美味しい麹が作れるようになります。出来立ての麹は栗のように甘みがあって美味しいです。出来立ては酵素の量も一番多いです。麹作りをしている間はいつもより顔に艶が出ます。これも浮遊菌といって麹たちが出している菌の影響だと思います。味噌や、梅干し、麹や発酵調味料など家の中でいろいろ作っているので料理教室のアトリエはいい菌がたくさん存在しています。
ひよこ豆味噌作り
生徒さんと一緒にまずひよこ豆の薄皮をとる作業から始めます。(前日に浸水させておいたひよこ豆を朝茹でておきました)薄皮をとることによってより滑らかな味噌が出来上がります。出来上がりの味噌の状態も好みなので滑らかにしたい方は薄皮を取り除いて頂きます。その後、ビニール袋に入れて潰していきます。この潰す作業が楽しくてみなさん喜ばれました。
次に麹と塩を混ぜ合わせ塩切りという作業をします。麹と塩を混ぜている時に麹が良い香りがすると生徒様がおっしゃってくださいました。生麹の香りと柔らかさが心地よいです。そしていよいよ潰したひよこ豆と麹たちを混ぜ合わせて団子にしていきます。こねて丸めて、大人になってもこの作業は楽しいですね。
丸めた団子は空気を抜きながら容器に詰めていきます。ぎゅっぎゅっと。詰めたら容器の周りを綺麗にして完成です。3ヶ月ほどで出来上がります。ひよこ豆の味噌はあんにしたり、スープにしたりすると味噌が甘いので野菜の甘みとも相性がよいです。今回のランチは菊芋を揚げてひよ豆味噌で作ったあんをかけたり、ブロッコリーと蕪のくたくた煮をひよこ豆の味噌と醤油、甘酒を少し入れて仕上げました。野菜もあんや味噌を使って濃厚な味付けにすると野菜もおかずになります。
2日間ご参加くださいました生徒様はみなさん普段お仕事されていて料理をする時間がないというのがお悩みでした。夕方遅くまで仕事をしている女性が家事と仕事を両立するのはなかなか大変です。私もフルタイムでずっと仕事をしてきたのでその気持ちもその状況も痛いほどわかります。冷蔵庫に何もないとき、何も下ごしらえしていない日は気持ちの焦りしかありませんでした。心も体も食べたもので作られるということがよくわかっている分なるべく自然なものを口にしたいということへの解決策は麹から作る発酵調味料だったり、自分で作るひよこ豆のお味噌が結局役に立ってきました。市販のタレやドレッシングでは絶対出せない美味しさです。美味しくて元気になる自分で作る調味料や味噌。今回作ったひよこ豆の味噌も忙しい日常のごはん作りに活用して頂ければ嬉しいです。3ヶ月後にお味噌が出来上がるのが楽しみですね。